西尾維新の新シリーズ、化物語の続編。主人公、阿良ラ木暦の悪夢の春休みを描く前日譚。伝説の吸血鬼、ハートアンダーブレード(忍野忍)との出会いや吸血鬼になった彼がなぜ人間に戻れたのか、委員長との出会いと彼女との関係が詳しく描かれています.吸血鬼の眷属になってしまい、人を襲わなければならなくなった人間の苦悩を描くところは小野不由美の「屍鬼」と似ていますが、こちらは終止、お笑いタッチで話が進み、最後にシリアスにまとめるというギャルゲー風に構成で楽しめます.西尾氏の軽妙な会話に笑いながら、最後は生きるために殺人を容認できるかという究極の命題を突きつけられます.NHKEのHarverd大学人気講義で同様なテーマの放送がありました.「一人の命と引き換えに多くの人が助かるとして、その一人を殺すことは許されるのか?」これは殺人鬼の人格を認めること、死刑廃止論にもつながる複雑な問題で考えさせられました.西尾氏は趣味で書いたといっていますが、なかなかどうして細かく計算された複雑なシリーズになっており、戯れ言シリーズをこえる彼の代表作と言えるでしょう。
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